抗がん剤止める。そしてベッドに放尿!

昨日は疲れてて書けなかった。以下、昨日の話。

 

医大で担当医に父の状態を伝えた。

「わたしは副作用(イクスタンジは副作用強し)があるかなとも思ってて」

「ご家族がそう思うなら、抗がん剤のやめ時かもしれません」

 

え!先生いきなり!

わたしは医師の見解を訊きたかっただけなんですが…。

 

だがしかし、患者本人から「イクスタンジ飲み始めてから倦怠感が‥」的な訴えがあればまだしも、父のように「調子はいい!」と言い張り転倒、奇行を繰り返す場合、「誰が副作用って決めるんだろ?血液検査じゃわからないよなー」とは思ってた。

ましてや患者も不在で来院したのは娘のみ。血液検査もナシの85歳。

骨シンチ検査でのアレコレでも、父の認知が微妙なことは医師も分かってるだろう。

 

「あ、わたしが副作用かなーと思うだけで、本人はイクスタンジ続けたいと思ってるとは思うんですが(多分。副作用とか理解してないから!)」

 

以下、医師の話。

「本来は患者抜きで、ご家族だけに会うことはありません。ご家族に処方箋出すこともありません。あなたが患者の家族であると証明できるものは何もないからです。町のクリニックでは‥(出しちゃってるけど的ニュアンス)」

「治療には終わりがある。本人が来れない状態になったら、治療ではなく内科の在宅医と繋がることをお勧めします」

「本人の意思が明確な場合は本人が決めますが‥僕も両親亡くなってますが、母は認知症で僕が決めて延命せずに看取りました。それは僕の死生観であり母の死生観ではない。でも本人が決められなければ家族が決めるのはままあることです」

「そういう決断が必要な時期かもしれませんし、それはよくある話です」

 

この先生、とっつきは悪いけどいつも医療の見解を述べてくれて割と好き。

 

懇願すれば今回だけはイクスタンジを処方してくれたかもしれない。

しかし現在の父(おそらく規定量を超えて飲んでる)の血液検査も出来ない今、強い抗がん剤を持ち帰って飲ませ続ける気にはなれなかった。

 

そして、来月また父が来院できなければ結果は同じ。抗がん剤飲んでてこの状態なら、飲まずに自然に任せた方が生活の質が上がるのでは?という期待もある。

 

「もう医療ではなく、終末期の準備をすべき時期かもしれません。もちろん抗がん剤をやめてすぐに悪くなることはありませんが、患者本人が通院できないなら先端医療ではなく、別の準備を進める段階かもしれない」

 

父の前立腺がんの時も、2月の救急搬送後も、そうだったけど…

病院はいつも助走なく選択を突きつけてくる。

わたしも慣れてきたので、今日は副作用の疑いを持ってること、抗がん剤を止めた場合の話を訊こうと思ってたけど、更に先の終末期か。

 

「一応、来月の予約は入れておきますね(ただ来月はわたしの仕事の都合で10月にしてもらった)。もし変更があればその時でも」

 

今までわたしは、医大の最先端医療から在宅医療へどのタイミングで・どう繋げるのかがイメージ出来なかった。

「俺は長生きしたいんだ!(健康で!)」

抗がん剤をボリボリ貪る父をどうすればいいのかも分からなかった。

そんなわたしに、担当医の話はジワジワ効いた。

 

 

病院を出て12時。家に電話すると母が「なんか床に寝てる人がいるのよー」。

で、す、よ、ね!

 

帰宅後、身体中痛いし床に倒れて猫を撫でたい気持ちを無視し、父を全力で引きずりベッド脇に。そこから死ぬ気でベッドの上にあげる。

 

仕事前に昼飯を作らねば。昨日買っておいたクロワッサン‥あれ?ない!

母「お母さん、食べちゃった!」

‥‥。

クロワッサンが無くなってるなら何が買ってきたのにな。

 

父も母も好きなホットケーキを焼き、二人が好きな果物とアイスも盛る。クロワッサン食べたらしい母も、見れば食べたがるから最初に小さいのを。

見た瞬間パクつく母。

次に父のを。

母「これお父さん好きそうね!」「うん、だから食べさせてきて」

父はベッドの頭と足を逆に仰向けに寝たまま(わたしの体力の限界)動かない。

 

わたしは朝から何も食べてないわ、疲れてるわ、身体中痛いわ、自分のホットケーキ焼かなきゃだわ、仕事の準備しなきゃだわ‥父は母に任せた。それが過ちだと気づかずに。

 

母「あーんして!アイスよ!」 

アイス大好きな父、反応して食ってる。わたしも自分の分を食う。切り出すなら今。

意識がはっきりしてきた父に、

「本人来ないと抗がん剤出せないってよ。医師は在宅医療勧めてるから、そうするよ」「うん」 

わかってんのかな。わかんなくてもいいんだけど。

 

次第に「そうじゃない!アイス!」「違う!」母に怒鳴り始める父。わかったのかな。

通じない母。イライラする父。介入する余力がないわたし。

皿を片付け、「わたしは16時まで仕事だから」ドアを閉めた。が、お客さんから少し遅れると連絡。

 

そういえば今朝ケアマネから着信あったなー。

泌尿器科では介護認定の診断書は断られた(あくまで泌尿器やガンの専門医で、日常生活全般を診てるわけではないと)こと言わなきゃ。

 

今日、先生からこう言われたんですよ。だから抗がん剤もらいませんでした。在宅医療に早く繋げて、その先生から診断書書いてもらえないかな。

そんな内容の会話をケアマネとする中、閉ざしたドアがガタガタ開いた。また母の不穏! 

「ちょっと待ってくださいね(ケアマネに)、なに⁈仕事中開けんなって言ってんの!」

母「お父さんがアイスもっと食わせろって怒るの〜アイスどこ?お母さん知らないの」

「アイスは冷凍庫に決まってんだろ!んなことでいちいちドア開けんな!」

ケアマネに丸聞こえ。

ケアマネ「ああ、お母さんも‥本当に大変ですよね‥」

父(要支援)のケアマネさんは母のことはよく知らないのであった。

 

で、仕事中。

母には悪いことした。父は母にあたるしかないのか。アイス出さなきゃよかった。つか今日はたまたま買い置きがあったファミリーパックのアイス出したけど、普段買ってるサーティワンアイスならオカワリなんざないんだぞ!つかアイスオカワリなんか許したことないのに!父は母に甘え過ぎ。 

などグルグル。

 

で、仕事終わってドアを開けると父がまた椅子に座ってる。うんざりしつつ下半身見ると案の定ノーパン。

「なんでパンツ履かないの?垂れ流しになる」

パンツを投げつけベッドを見ると…水浸し! 

ベッド上に脱ぎ捨てたリハパン。汚れてない。

ついに、わざわざパンツ脱いでベッドで排尿した!

 

嫌な予感がし、2階に母を探しに行く。

母は便に塗れたズボン履いて廊下にいた。(またノーパンゆえの惨状

 

不安があると排泄物で自己表現する、我が家の認知症アルアル!

 

淡々と母の便をふき取りリハパンとズボンを履かせる。トイレと部屋は無事らしい。シーツに一部便。しかし外は雨。見なかったことに。   

 

父の方は見ぬ振りできぬ惨状。新しいシーツを持ち階下に降りて父へ

「今、お母さんはうんこ漏らしてた」「へぇ」

「で、お父さんこのベッドは?おしっこ塗れ。わたし今シーツ替えてんのかわる?」「わかる」

マットの上の防水シートを拭き、新しいシーツを張り、さらにシーツパッドをガムテープで留める。

「わたしが一人で、もう限界なのわかる?」「わかる」

 

もうワンオペ限界なんだよー!(コダマ

 

しかも仕事中もケアマネから着信。

かけ直すと、泌尿器科がある在宅医がいるという。医大の先生からクリニックにお父さんの診断データを送っていただきたくて‥早い方が良いかと思いまして」

なるほど。

その案件は医大の総合受付なのか、ガン相談室か?また電話通じないんだろうな‥

頭がボーっとする。

「あの、ちょっと愚痴っていいです?」

とりあえず、父と母の前で今のダブル排泄物テロを一気に話した。

「きっついです。本当にキツイ」

排泄の話はデリケート。認知症でも自尊心が傷つきます。そんなこと分かってるから、父母の前で第三者に排泄の話をするのは避けていた。

でも、抗がん剤、在宅医療、アレコレの連絡、仕事の調整、1日に何度も父の巨体を引きずり持ち上げ、尿と便とリハパンの始末に追われ、そんな配慮はぶっ飛んだ。

 

ケアマネ「今、ご提案できるのはディをフルで活用し少しでも負担を減らしていただくことで‥」

「でも要支援から要介護に認定されなきゃ、前回の二の舞ですよね」

ケアマネ「ですねぇ。だから今回は認定が出てから動くということで、それまで乗り切るしか‥」

ま、そうなるよね。

ケアマネ「でもお嬢さんすごいですよ…夜は眠れてますか?」

実はわたしはバセドウ病持ちで(一応、数値は落ち着いてる…数年前までは)不眠気味。今は眠剤をもらってる。

「夜は2階に上がって、基本階下には降りません。なぜならわたしが睡眠まで足りなくなると、間違いなく介護殺人になると予測できますんで」

ケアマネさん、笑ってたけどマジだから。

 

電話を切り、すぐさま医大のガン相談室に電話。

やるべきことを端から片付けないと。仕事も溜まってる。問い合わせの返事も遅れてる。今できることを1つずつ。

「担当者が不在でかけ直しますね」

クッソ医大〜!!

「担当者と言いますか、そちらで治療してる患者が在宅医療に切り替えるので、先生からデータを送っていただきたいんですよ。その依頼はこのガン相談室でいいんですか?別の窓口があるなら電話番号教えてください」

ものすごい早口でまくしたてた。

「それでしたらこの番号で大丈夫です。が、担当者が‥」

「わかりました。じゃあかけ直しお待ちしてます」

なんで医大って窓口がわかりにくいんだろう。(八つ当たり気味

 

さぁ夕食を作らねば。頭が回らなさ過ぎて冷蔵庫を開け閉めしつつ頭を冷やす。

医大から電話はかかってこないまま受付時間は終了。

1つ片付かなかったなぁ…

老老介護なんてマジ無理だね。介護サービスにきっちり繋げるまでにやることが多すぎる。

 

なんて1日で、わたしは父の抗がん剤を止める決断をした。今引き伸ばしても、先々いつかはこの段取りをつけねばならない。

これをもう1回なんて精神力体力的に出来ない。今がいいタイミングなんだろう。

 

 

その後、夕食作って食べさせて多分またアレコレあったんだろうけど、1日経過した今、まったく記憶にないという(笑)

 

これ以上、キツイ日はないだろうと思うのに、毎日それを越えてくるこの半月。