前頭側頭型認知症とレビー小体型認知症

先日、10月に父と通い詰めた大病院の検査結果が出た。

 

父の診断は、詳細な検査結果を診てもレビー小体型認知症らしい。

シンチやMRI画像診て「この辺にレビー小体が…」と説明されるのかな(場所により症状が変わるので)?と思ってたけど、

医師「データは全部在宅の先生に送っておきますから!」

初診断なら「今後の治療は?」など話すことも多いだろうけど、ウチは在宅の主治医が投薬もしており、その指示で「画像診断依頼」してるから、詳細は在宅医に丸投げっぽい。

 

医師「あと、ふたつめの所見は前頭側頭型認知症ですね」

ぜんとうようそくとうがた…なんだっけそれ…とても嫌な予感…

あ、ピック病か!

「ピック病」の名前を思い出したのが10分の診察後だった。

最悪なコラボレーションじゃねーかぁぁ!

 

認知症も種類がある。

アルツハイマーはとにかく記憶を喪失する。家族を忘れるなんて序の口で、最期は食べることも話すことも忘れて死んでいく。

母も、1年前は「食べることも忘れるって想像できないな~」と思ってたけど、今は容易に「こうやって進行するなら、食べることも話すことも忘れるでしょうね」と想像できるレベルに進行してる。納得。

 

レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症アルツハイマーに比べて記憶は保持される。しかし幻視・幻聴・妄想がヒドイ。そしてパーキンソニズム。

元々父の摺り足はレビーを疑ってたし、8月からドネペジル投薬するまでは幻視・妄想が大ブレイクしてた父。

メインは確かにレビー小体型認知症なんだろう。納得。

 

前頭側頭型認知症は…というか前頭側頭型認知症の多数を占めるピック病は「人格障害・暴力・暴言」が有名。

わたしの中では、

アルツハイマー>>>レビー小体型認知症>>>>>>>ピック病(前頭側頭型認知症

父のレビー小体型認知症も「幻視きっつ!!」とは思ったけど、異常行動(人格障害)で、万引きや他害の反社会的行動に出るピック病よりマシだ!とセルフ洗脳してた。

なのにまさかミックスとは。

 

全裸で自宅徘徊したり、リハパン1枚で玄関の外に出ていたのはピック病の「異常行動」か…。

TV前の椅子に固執したり、延々とTVのリモコンを弄り続けたのはピック病の「常同行動」か…。

1番腹が立つ「オムツをわざわざ脱いで、車いすやベッド上に排泄する」のは…異常行動+常同行動か?

うんざり。

 

 

高齢者の前頭葉が萎縮するのは普通だから、認知症と疑いつつ「=」にはしなかったけど、数年前から、

「こいつ(父)、マジ前頭葉委縮してるな」

とは直感してたんだよねぇ。

高齢者の前頭葉が萎縮するのは普通だけど、アルツハイマーの母の奇行とはまた別種の歪さを感じてた。

 

例えば‥

我が家は生協で食材を頼んでる。週1注文&週1配送。

今年2月の入院前までは、わたしが食材チェックした後、父が自分が食べたいものをチェックしてた。ゆえに、

「父がハマった食べ物(甘い物や果物が多い)」が異様なペースで注文され続けてた。

消費量と注文量の関連が理解できず、消費量に倍する量を毎週注文→同じ食材が溜まりまくる。

 

一昨年だったか「鯖」にハマった父が毎週大量な鯖を注文し続けた。

焼き鯖・しめ鯖とにかく鯖三昧。冷凍庫に鯖が溜まる。

「冷凍庫に山ほど鯖があるから。今週は絶対に鯖を頼まないで!」

父「分かった」

説明し、承諾しても父は鯖を頼む。わたしはこれ以上鯖が溜まらないように夕食に鯖を出す。でも夕食に週2,3回が限界なので鯖が冷凍庫を占める。

 

最終的には、わたしが夕食に出した鯖を捨て、

父「俺は鯖は好きじゃない!」と言い出し、正気を疑った。

「おめぇが鯖を頼むから鯖を出すんだよ!冷凍庫は鯖だらけなんだよ!見ろ(目で見ないと理解できないのかと、定期的に冷凍状態の鯖を見せてた)!今週もまた鯖が来るんだよ!付き合わされてるのはこっちだよ!」

「鯖は好きじゃない!」と言った後もしばらく鯖を注文し続け、注意しても本人も首を傾げる始末。

 

食事を作るのはわたしだから鯖の印象が深いけど、食事外のヨーグルト・アイス・果物などに対しても同じ。

母も一時期、油揚げを毎日買って買ってきたりしたけど、あれは「まさに認知症アルアル!」と思った。

父はそれとは微妙に違ってとにかく「前頭葉ヤバいな」って印象だった。

 

今回の所見でピック病を調べたら「食行動の変化」「特定の食べ物ばかり食べる」「甘味や味の濃い物に執着」って症状がある。

それか。それだったのか。

 

 

在宅の先生は、

「(検査して診断がつくことで)ご家族が、あの奇行は認知症の症状だったのか、と納得・理解できるから…」

と言ってたけど、わたしはむしろ納得できなくなった。

 

この数年、父の異常行動や常同行動を「それと思わず」尻拭いをし続けた。

自分が払った労力に「理由」が欲しくなるのが人間。

 

  • 身体が悪くなり、自分で買い物に行けなくなったから生協の注文書見て弾けちゃうのかなぁ。
  • 戦中生まれだから、不安なのかなぁ。
  • 前立腺がんの薬の副作用で口が渇くから、果物ばかり注文して溜め込むのかなぁ。
  • 老齢で生命力が弱ってるから、補完するために食べ物を集めたいのかなぁ。

 

色々推測し、異様な注文量・食への執念にぞっとしつつ、父の嗜好を尊重しようとしてきたけど、最初から「理由なんかない。前頭葉の萎縮が原因」だったのか。

バカバカしいにも程がある。