退院日。
兄と病院で落合い、大体の状況を話す。
正直、兄は力も気合もアレなので戦力にはならないかもだけど、独りで抱える気力がもうなかった(^^;
体格のよい介護タクシーの人から車椅子を受け取った看護師さんが、病室から父を連れて来た。
あとは運転手さんにお任せなんだけど、相変わらず父の言うことがせん妄くさい。
そもそも自分は何か月も入院してたことになってるし、救急搬送も覚えてないし。
(これはその後数回にわたり説明してるし、父用のカレンダーを作成し経過がわかるようにしてる…けど理解はしてない)
「俺がいない間に、誰かに家を乗っ取られたって話はある?」
「ねーし」
総じて父は被害妄想の傾向が強いんだよなぁ。だから認知症悪化すると面倒くさそうなわけで。
介護タクシーの契約は、自宅1階のベッドまでなんだけど、
「父が自力で出来そうなら、自力でやらせてください」
と頼んだ。そう。わたしも少しは期待してた。
が、まずは1階のポーチが上がれない。
玄関も上がれない。
歩くというか、数分の立位がもう無理。
それでも運転手さんに支えられ、なんとかベッドに到着。
(その騒動の中、集まって来た近所の人たちの中に、今は隣の区に住んでる幼馴染(介護職)の顔も(笑)
後々色々なアドバイスをくれてますw)
ホントは、牛歩ながらもテレビ前の椅子に座るんじゃないかと思ってたけど甘かったな。
で、リビングに父母兄わたしがそろった。
母は人が大勢いるので楽しそうw
そりゃ事態を理解してないし、先の心配も抱けないんだもんねぇ…
そんな中、父がトイレに行きたいと言い出した。
わたし「じゃあベッドからまず立ってよ。話はそれからだ」
柵にもたれてなんとか立ち上がる父。しかしそれで限界。足が踏み出せない。
ダイニングの椅子を持って来て、椅子の背につかまると高さは良いんだけど…歩行器的な車がついてるアレが必要だね。
と話したところ、兄が「買いに行ってくる!」と逃げた。
父は「自分が歩けないとは思っても無い」し、この時はわたしも「そこまでひどいと思ってない」ので、
「俺はトイレに行く!」
と煩い。わたしも、
「あ、リビングの椅子を引っ張って歩行器的に使えばいいのか!」
と、父に椅子の背につかまらせ、わたしがリビング⇒廊下⇒トイレまで引っ張ることに。
…今思えば無理ゲー過ぎるんだけど(^^;
ずるずるずるずる引っ張って、玄関まで来たところで…
父が、尻をつきやがった!
幾度も父を起こしたことがあるわたしは、尻をついた75キロを介助できないことを知ってる。
下半身オムツの父とわたしと母で寒い玄関に座り込み、
父「もう無理だ。俺はここでいい」
わたし「はぁ?あほか。とりあえずベッドに戻るよ。また病院逆戻りする?それとも頑張って足に力入れる?」
と押し問答。
あれやこれややってるうちに、兄が「ショッピングカート」を買って帰って来た。
「…これさ、斜めにしないと車が回らないよね??」
(元気な人が背後に引っ張るためのカートであり、自分の体重をかけて前で使用するカートではない)
うん、まぁ、そうだよね。わかんないよね。わたしもわかんないもん。
でもこのまま玄関にいるわけにはいかないので、わたしが父の脇下に腕を入れ、引っ張ってリビングに戻すことに。
こういうことをやってもらうために兄を呼んだんだけどね。兄は、
「お父さんが足を踏ん張らないと無理だよ」
と手をこまねくタイプ。
介護って性格出るなぁと思いました。
痛がる父を無視してわたしが父をリビングに引きずり込み、転がし、次はベッドに載せなきゃならない。
これも、わたしがベッドの上に乗り、下に座らせた父とともに背後に倒れ込むことで成功。
腰をやられました。
とにかく1度帰宅させないと、ここまでの寝たきり状態とはわからなかったので、退院させたことは後悔してないけど、
想定外にヤバすぎた。
というか、この一幕が大変すぎて、オムツ交換への抵抗がなくなった。
もう自分一人で立てない、トイレにも行けないわけで。
父が自分で愛用してたリハパンでは心もとないというか、履くタイプじゃ父の足腰持ち上げて履かせるなんて、わたしには無理じゃんね?
(12日、そこを確認したら「ご自身で履くタイプ使えますよ」と言われたんだけど)
ってことで、道中youtubeでオムツ交換のやり方見つつ、ドラッグストアに走りましたよ。
そこから先は、兄は見たくない・父も兄に見られたくないだろうからお帰り頂いて、なんとかオムツ交換したけど、今度は頻度がわからない(^^;
病院では夜間、オムツが気になって身体の自由を奪われてたらしいからな~。
下手に放置して、触られたら嫌だけど…
ま、いいか。(思考停止)
その後、大事な抗がん剤ザイディガを病院が返却忘れしてて、夜にタクシー飛ばして取りに行ったり、怒涛の1日は終わったのです。が、終わってなかった。
とりあえずベッド周りにリハパン、水などを置き、わたしと母は2階の自室へ。
そして明け方、床をダンダンダンダン叩く音、叫び声、「ママ―(母のこと)」「ママ―」「火事だぁ」。
わたしと母が飛び起きてリビングに行くと、なぜかオムツ1つで床に転がる父の姿が。
わたし「…なにしてんの?」
父「いや、なにというわけではないけれど、寒い」
わたし「そら寒いだろうよ!!!なんでベッドから降りてんの!暖房のリモコンあるのになんで使わないの!」
オムツを変え、再び父をベッドに抱え上げ、
あ~もうリモコンの使い方も分からないんだな。つかコレ、腰痛ベルトないと無理じゃね?
と思ったのでした。
(前述の幼馴染からお勧めベルト聞いて、現在装着中)