先日、近所の美容院に母を連れて行った。
我が家近辺は古い商店街(半ばシャッター閉まってる)。
美容院もよく言えばレトロ。いやアナログ…。
店内には引退閉店後の元商店店主が集い、近隣一体の情報が集まってる。茶の間のような美容院だが、お高い。
ウチはかなり出歩くので、ヨタヨタ歩きの母とわたしが手を繋いで歩いてたり、父が車椅子でディサービス送迎受けてたり、父の姿が見えなくなり母が車椅子になったり、年2回ペースで救急車呼んでたり‥
我が家の介護状況はダダ漏れだから、近所に推測拡散されてるが、噂の源はこの美容院だとわたしは踏んでる。(地域見守りがあり安心でもある)
母は社交の場として、この美容院に行くのを楽しみしている。
母「歩いて行く」
メマリーやめて歩行が安定したので、久々に手引きで歩いて連れて行った。
店主「あらあら、お姉ちゃんいつもありがとう。車椅子で良かったのに」
母「わたしが、見栄張りたかったのよー」
見栄!一時、そういう感覚すらなくなってた気がするけど、見栄って大事だよね。
店主「ところで、お父さんどう?」
目をキラキラして聞かれる。美容院は近隣ネタ(介護、医療、訃報)の宝庫。
父は、22年に車椅子になる前から、近所での立ち往生や転倒が多かった。
店前で転倒し血まみれになった父を惣菜屋が連れ帰ってくれたり、わたしが父を抱え歩けず往生してる時にカレー屋インド人が助けてくれたり、早朝に新聞取りに出て門扉で転倒してる父を発見しインターフォン連打で教えてもらったり‥キリがないほど近所に世話になった。
入所したての頃、顔だけは知ってる近所の人から「お父さん、最近ディサービスお迎えで見ないけど、どうしたの?」とよく聞かれた。
助けられているからイーブンだけど、無駄にネタを提供する必要もない。
「あーまぁ、大変です。ははっ」
誤魔化して退散し、カット後に母を迎えに行った。
すると母が、
「パパは病気なのよねー。でもあそこ(施設)病人多いのよ。あそこ行くと伝染りそうだから、行きたくないな」
言い出した。カット中にどんな話で盛り上がったんだろうなぁ‥。
ショートスティに変なイメージつけないで欲しいけど、そこまで管理も出来ないし…。
その翌日は、母の仲良しであり、両親と一時同居してた母の友人に電話。
母「わたしは元気よー!でも旦那は病気でね。ありゃあ先は長くないかもね」
!!
昔の母は「亭主が死んだらいかに自由を満喫するか」を女友達とよく盛り上がってたから、そういうノリが戻った気がする。が、80代の今、言われたお友達は驚くよね。
「いや、まだまだそう言う段階ではないですよー」
思わず、電話口で口を挟んでしまった。
以前のように、母とコミュニケーションが盛んに取れるのは嬉しいけど、忖度しまくってくれる介護職以外の人たちとのコミュニケーションの余波にドキドキする。
※
ところで、多動が加速するなら調整しなきゃならないから、ショートスティ先やディサービスにもメマリー断薬をシェアしてる。
昨日、ディサービススタッフさんから丁寧な返答があった。
- (メマリー断薬の効果かは分からないけど)歩行も立ち上がりも非常に安定してきた。
- トイレ誘導しなくても、自発的に「トイレ行く」と言うようになった。
- 食事も咽せず、自分で食べるし、非常に良好。
足腰だけじゃなく、嚥下や腸の動きと言った「目に見えない部分」が改善したのはホントに謎。
メマリーなんて一般的な薬なのになぜ。
実は、訪看2回入れてもこの半年ほど、
「直腸に便が降りてこない。腸の動きが悪い」
と強固な便秘を指摘されていた母。マグネシウム調整してもなかなか排便コントロールが出来なかった。
それが、メマリー断薬後に2回目の下痢をしてる。
最初は大晦日にグラタン出したら下痢。
昨日、夕食にシチュー出したら下痢。
バイタルには問題なく、ただの下痢‥牛乳のクリーム系がダメなのかも…だけど、あんなに強固な便秘で困ってたのに。
看護師に「腸の動きが悪く便が降りてこない。先々腸の機能が心配」と言われ、暗澹たる気持ちになったけど(嚥下や腸の動きと言った「見えないエリア」は如何ともし難い)、便秘は結局、メマリーの副作用だったのか?????
調べるとメマリー、1~5%の副作用で便秘が出るらしい。
相変わらずメマリー断薬の効果かはわからないし、他の方にも共通するとは限らないけど、一応書いておく。
※
しかし、意思表示が明瞭になったのはいいけど、介護者からすると、叶えられない要望も増えるし、介護の方向性として悩む部分も増えた。
先ほど、ソファに座るわたしの横にぺったりくっ付いて、
母「このぐらいの傍にいたいの。独りは嫌」
あ、だから「小さな家で暮らそう」だったのか…。しかしくっ付きすぎ。
「…ねぇ例えばだけどさ、1人の部屋ってどう?」
母「いやよ。寂しいじゃない。もっと大勢がぎゅーぎゅーしておしゃべり出来るのがいい」
「でも、好きな人ばかりがぎゅーぎゅーしてるとは限らないけど、それでも?」
母「そりゃ、好きな人ばかりなんて都合のいいことは出来ないでしょ(どや顔)。喋る人なら、嫌いな人が混ざってたってしょうがないわよ」
すごい。大人だ。
そもそも当初、父は受け入れ施設がなかった。
多床型の特養と縁を持ち、父も母もショートから慣らして、父の入所に繋げたけど、当初から「父と母は同じ施設へ。ってことは多床型」を目指してた。
なぜなら、母は個室じゃ寂しくて死んでしまうから。(あと観察が好きな父も、実は多床型の方が向いてると踏んでた)
当時調べた時、有料の多床型タイプはなかった。ゆえに母も特養を狙うしかないんだけど…
母の主張を集約すると、
小さな家でわたしと2人で暮らす>>>>大人数でぎゅうぎゅうで暮らす。ただし無口な人は嫌&病人と一緒は嫌(母は施設入所を想定してないので、脳内では「自宅で大勢で暮らす」話)
って感じかな。
メマリー飲んで(?)ぼーっとしてくれていた方が、介護者が介護の選択をしやすいのかもな~。そっか、だから認知症薬ってあるのか~
なんて、今更気づいてみたりする。
母のアリセプトもメマリーも抜いてみれば、言ってることもやってること(徘徊・排泄)も、認知症初期とほぼ変わらない。
月末、MRIを撮りに行くけど、昨年?一昨年?の画像診断でも、
「脳の萎縮の変化もないですね」
との話だった。
当時は父も在宅で、父と母が絡まり合ってカオスだったので、
「え!萎縮進んでないのにコレ??」
と衝撃を受けたけど、めちゃくちゃゆる~い速度で低下する認知症タイプなのかも…