娘さんが持って来たんですよ

先日の面会時、施設から父の衣類を頼まれた。

スタッフさん「腹部から足の浮腫みがひどくて、今のサイズだとお腹がきついんです」

父のボトムはLサイズ。

介護アルアルで、着脱しやすい大きめサイズにしてる。

トップスはM。これまた着脱しやすい前びらきのジップアップを揃えてる。

「え、Lより上ですか?」

固形が食べれずに食が細くなってる父、顔や肩は痩せてるんだけど、浮腫がひどいのか。

スタッフさん「そうですね‥。2Lとか‥。あと上着もお腹のあたりのファスナーが閉まらなくて」

見た感じは「痩せたな」と思うが、腹がきつかったり前が閉まらないのは可哀想。

父の腹を触って確認したけど、リクライニング車椅子に座った状態ゆえよくわからない。

「お父さん、お腹きつい?」

父「うーん、キツイね」

「じゃあ、大きなサイズ買ってくるね」

とはいえ、父の見た目と買うべき服が合致せず、上着はLL、ボトムスは2Lを買って持ち込んだ。

 

そんな状態ゆえ、改めて看護師や相談員に、

「浮腫が酷いならバルーン入れます?外来連れて行きますよ」

と掛け合う。

が、尿が全く出ないとか、血尿が激しいならバルーンだけど尿は出ている。腹部下肢の浮腫みは泌尿器に限らず、心不全や循環器系でもなるし、原因が1つとは限らないとのこと。

管を入れれば解決というわけではないのか‥

 

全員で検討し、2月に大きな病院の「内科」受診させることにした。抗がん治療は耐えられない、痛みがあるわけでもない。が、食事量が減り浮腫が酷いとなると「内科」しかない。

施設と提携してるT病院初外来。

内科‥この時期めちゃ混んでそうなんだけど!

相談員さん「午前中に受付して、帰宅は15時頃ですね」

気が遠くなる。が、浮腫みの原因は知りたい。

 

ちなみに月に数回、父にプリン、ヨーグルト、ゼリー、ジュースを大量に差し入れる。

食事量に波がある父だが、大好きなスィーツは食べまくるからだ。

でも昨日、

スタッフさん「最近、甘い物食べます?と聞いても"いらない"って言うんです。でも“娘さんが持ってきたやつですよ"って言うと"じゃあ食べる"って食べるんですよ」

と聞かされた。

なんだよそれ泣く。

 

ウチはスタッフ間でも有名なほど差し入れしてるから(何故なら、わたしが施設に行く機会が多いから)、「娘からの久々の差し入れ」て感覚ではなかろう。

そのココロはなんだろうな。

泣くほどのことではなく、この10年以上「娘=食事」だったから、単に刷り込まれてるだけかもしれないけど。。

 

 

代わって、母はメマリー断薬して頭は絶好調。

一昨日は母の友人3人が遊びにきた。

海千山千の女子?会で、母もマシンガントーク。すごいな‥。わたしは3時間で離脱したけど、4人で5時間喋り続けてた。

ちなみに全員、娘がいる。

昔から脳血栓脳梗塞脳卒中を繰り返してた母、その都度、

「娘がいて良かったわ〜」「娘がいるからわたしたち安心よ!」

と言い合う仲間たちでもあった。思えば大昔からわたしも「闘病、介護は娘」と軽く洗脳されてたかもな‥。

来月の父の受診話が出て、

ご友人連「○○ちゃんが行く必要ないわよ。お兄さんに付き添わせなさいよ」

面会にも足しげく通ってくれる兄の名前が出る。娘に介護もそうだけど、そういうとこだよ‥

親の介護って、1つ背負う人の背中にポイポイ~っと2つ3つ4つ5つ投げ込まれる。だから「やったもん負け」とか言われるんだよ!とわたしは思ってしまう。

(ご友人たちも、兄が両親を案じ実家に来てくれてることは良く知ってる)

 

「兄?兄ですか?いや~、親に会いにも来ない弟に、父の通院などは任せようと思って…た時期もあったんですけど(交渉決裂)ね?」

すると、

ご友人連「馬鹿ねぇ。やる人はとっくにやるの!舞台の幕が開いた時からやるの!やらない人が今更やるわけないじゃない!」

断言された。

「え?開幕は様子見してても、幕が降りそうなら慌てて参加しません?」 

そしたら母が、

母「あいつは絶対にやらない。あれは自分では幕を下ろさないタイプなのよ」

!!!!!!!

「え、お母さんとお父さんの息子の話なんだけど!?」

母「だから分かるのよ!」

 

もっと早くに聴けばよかったというか、その件については以前も母と相談してたけど、

母「あいつが手伝うわけないじゃない」

で終わってた。わたしもツッコミ入れなかった。

が、今回の「舞台の幕を下ろすわけがない」という言い回しが、なんかすごくしっくりきた。

なぜならわたしは「下ろす時くらいは手伝うよ」以外の選択肢は考えたこともなかったから。

むしろ、どうせ下ろす時は手伝うなら、最初から参加した方がいいじゃん?と考えてるので目から鱗

 

母が「だから〇〇(わたし)は、ずっと一緒に暮らしてくれてありがと」

ご友人達「あら、えらいわ。ちゃんと言えてえらい!」

母「そう思ってるんだから言えるわよ!」

逞しい80代女子たち。

 

ご友人たち「あなた(母)一時期もうダメかと思ったけど、今ホントにいい顔してるし頭も喋りもばっちりよ!」

そういうことを忌憚なく言ってくれる友達が母にいて、(わたしが)よかったなぁ。

 

そのご友人の1人が、

「○ちゃん(わたし)の年代で見ているお父さんお母さんの状態と、わたしの年齢で見ているお父さんとお母さんの状態は、見え方が違う。二人は充分に幸せよ」

と言ってくれた。

見え方‥違うかもね。母も「そうそう、幸せよ」と言ってくれた。

なんて記事を上げようとしてた本日、午後はまた父が救急搬送された‥。

それはまた改めて。