今度は便秘

レビー小体型認知症は自律神経のバランスを崩し便秘になりやすい。

 

だから在宅医も当初から「訪問看護いれますか?」と訊いてくれた。

わたしも父は便秘ではないかと思ってた~慣れないオムツ排泄・ほぼ寝たきりなのもある~から、頼もうとしたら、

父「俺は便秘じゃないから!大丈夫」

 

9月28日の大病院でも、

医師「お父さん、便秘してませんか?」父「してません」

 

わたしもディの日の排便までは確認してない。排泄ヘルパー来訪時にいちいち排泄物を確認する気もない。

本人が快便と思うなら浣腸には抵抗あるだろうし、訪問看護は契約してなかった。

そしたら本日。

 

わたしは昼過ぎから仕事。その前に母と買い物に行く約束をした。

しかし父が意味不明なことをわめいてる。

母「やぁよー汚い。トイレ行けばいいじゃない」

え、トイレ?

父の訴えを要約すれば「うんこしたからオムツ替えてくれ」?

リハパンやオムツに排泄物があるのが嫌な父。「替えてもらえない」不安が増幅すると面倒事が起きるだけ。

しかし、母はまた父がトイレに行けないことを忘れてる。煽るなー!

 

わたしは「オムツやリハパンに排泄」してあれば‥いわゆる介護の領域なら、相手の尊厳を守る為にもオムツ介助に嫌な顔はしない。

 

リビングに行き手袋をつけ、

「あーいいよ。わたしが替えるよ」

父「いやまだしてないんだ」

…してから言って。

「まだなの?今すぐ替えてるから、どうぞしてください」

そこから待たされること30分。

リハパンを脱ごうとする父を「脱ぐな!」と制止しながら待たされ、出たのは小便。時間ロス!

 

行く気満々になってる母との買い物を止めるわけにもいかず、ダッシュで帰宅して仕事。

 

仕事後、17時過ぎにリビングに戻ると、また父が母へ何か訴えてる。

父「俺がすべきことがうんぬんかんぬん…」母「????」

ようは、ウンコだろ。

「あ、いいよ。わたしがやるよ。ウンコしなよ」

また手袋をつける。しかし父のウンコは出ない。夕食も作らねばならない。

「もうわかった。出たら教えて。すぐに替えてあげるから。お母さんはお父さんがパンツ脱ぎそうになったら上げて」

1日24時間しかないのに、父のウンコ待ちしてる時間はない。

 

しかし、ベッドの上で何度も体制を変え、イライラと蠢く父のウンコは出ない。

もちろん母は当てにならず、すぐリハパンを脱いで排泄しようとする父から、結局目が離せない。

「パンツ脱ぐなって言ってんだろうが!」

父「うるさい!」

「うるさいじゃねーよ!ベッドの上にウンコしたらどんだけ手間かかるかわかんねーのか!」

しばらくするとまた脱ぎにかかる。

「だぁらパンツ脱いでクソすんな!」

父「うるさい!」

「ざけんじゃねーよ!シーツ何枚切って捨てたと思うんだ!てめぇの不始末全部写真に撮ってるんだよ!」

父「入口に硬いのがあって出てこない!」

・・・。

「だから訪問看護頼んで浣腸してもらえって言ってたのに、断ったのお父さんでしょ」

父「そんなもの(浣腸)はいらない!」

 

再び蠢くこと30分。

ベッドの上でのたうち回る父。

「なに、お腹痛いの?」

父「いや、痛くはない。でも入り口が‥」

「そういうのを便秘って言うんだよ!もう浣腸するしかないね」

父「…それはすぐ来てくれるのか?」

 

この三連休中日の日曜日に何言ってんの。

ウチはそもそも未契約なんだよ。

しかし、今なら訪問看護契約に同意しそうだからチャンスといえばチャンス。

便秘って弄便の原因になるらしいから訪問看護入れたかったんだよ‥。

あとレビー小体認知症、便秘によって妄想や幻視、せん妄が加速したりするらしい。 

 

在宅医のコールセンターに電話してみた。

在宅医のコールセンター経由、勤務医からのコールバック。

医師「うーん、訪問看護の契約はされてないんですよね…?医師は浣腸は行いませんし、道具もないので」

「そうですよね~。今後訪問看護と契約するという形で、今日看護師さんに来ていただくってことは無理ですか?」

医師「ちょっと訪問看護の方に確認してみますね」「やはり連休中の日曜日ということもあり、今日の今から…とはいかないそうです」

ですよねぇ…。しかも便秘ごときじゃねぇ。

医師「対応策としては、ご家族がドラッグストアで浣腸を購入してみるという手もあります」

 

わたしは明後日の仕事の企画が出来ず悩んでる。

日中から今、父のウンコに付き合わされた上に、この雨の中浣腸を買いに走り、父に浣腸をし、オムツなどを替え、晩飯を作り…

絶対にやらねぇ!

 

5日6日の朝はわたしが堂々たるウンコを処理してる。

7日は…量は分からないけど、洗面所に付いた便を掃除してる。

そもそも高齢者の便秘は思い込みが多いとも聞いた。昨日はディも行ってるし、ディでの大便の状況は把握してないけど、緊急事態ではなかろう。

「あの、連休明けにまず契約する場合は…?」

医師「担当のケアマネさんにご相談ください」

ケアマネさんにも電話してみたけど事業所は留守電だった。

 

「ってなわけで、連休明けたら訪問看護契約するけど、今日は誰も来ません。何事も全て"契約ありき"なわけよ。ヘルパー、ディサービス、在宅医療…わたしがあなた方のために、どれだけ契約結んでると思うの?ウンコでないからって急に飛んできてくれる人はいないから。つか、飯食ったら出るんじゃね?」

 

夕食を作り父と母に食わせる。

そこでふと気になった。

母はマグネシウムを飲んでいたが、あまりにいつも便が付着してるので(リハパンにもベッドにも母にも)、この数日は飲ませなかった。

「お母さんは?便秘してる?」

母「うーん。この数日は出てないような…出たような…」

認知症に聞いたのが間違いだったな。 

 

 

排泄物は健康のバロメーター。

飼い猫に関しては本当にそれ。

ウチの猫は便秘がちだったので、何度もトイレに行くのを全力で応援したりもする。

(あれこれ探し最適なフードを見つけ今は快便。立派なウンコを見るたびに嬉しい)

 

でも、大事な猫と同じように父母の排便を管理する気には全くならない。

嫌な顔せず両親のオムツ替えてやってるだけでありがたいと思え。

 

 

そして、わたし自身も手探りで介護をしてる。

在宅医に電話しても、訪問看護は全く別部署なのか!とか。

ケアマネに訪問看護のことを「医療保険介護保険?」と聴いた時、「在宅医の先生の判断次第」と言われたので、訪看は在宅医を通すのかと思ってたら、判断はケアマネか…とか。

ヘルパーはヘルパーが出来ること。(例えば肛門まわりは触れないとか)

在宅医は在宅医が出来ること。(浣腸はしない。それは分かる)

訪問看護訪問看護が出来ること。

かなり細分化してるんだな、とか。

土日祝祭日対応可もあれば、そうじゃない事業所もあるのか、とか。

 

利用する側にならないと説明を読んでも理解には至らないことばかり。

専門化されてるから細分化されてるし、細分化されてる方が利用者がチョイス出来る利点もあるけど、余力があるときに準備しようとすれば、当人(父)が「大丈夫」と拒む。で、いつも慌ただしい。

 

夕食食べてもウンコが出なかった父は、興奮状態なのかクレチアピンの効きもイマイチ。

明日、ディがあれば「ディの看護師さんに相談しろ」と宥められるけど祝日で休みだし。なんでこんな日に便秘で騒ぐんだよ腹立たしい。

 

明日の朝は大惨事になってるかもしれないし、明日も1日便秘で騒ぐのかもしれないが、もう父の存在すべてが面倒くさい。

 

人間なんて五尺の糞袋。まさにそれ。

 

追記

23時過ぎ様子を見に行ったら、ベッドを塞いだテーブルが避けられ、ベッドに座る父。

ベッドに張った防水シーツ、その上にガムテープで貼ったオムツシートが丸められ床に。床には他にリハパン2枚。

「出たの?」父「出た」

またリハパン脱いで排泄したな。

多分シートに排泄し、ガムテープが取れず防水シートごと丸めたと見た。

「よかったじゃん。すっきりした?」父「うん」

「お尻拭く?」父「いい」

リハパンでケツ拭いて脱ぎ捨てたな。

 

リハパンも防水シーツもそういう使い方するもんじゃないけど、丸まった防水シーツを開く気力も湧かずにまとめて捨てた。

 

これ、こんなんでショートや施設行けんのか??

 

むき出しのシーツというかベッドが目に入る。明日危険すぎる。

仕方なく車椅子をリビングに入れ父を移乗。ベッドにシートを貼り付けた。

再びベッドに移乗させようとするわたしを拒み車椅子でテレビ前に行く父。

 

いや、そんなことのために手間かけたんじゃねーんだけど!?

とキレることも面倒くさい。

 

しばらく猫と遊びながら様子を見る。

タバコを吸う父。火が怖い。

一応クレチアピン飲ませてる。車椅子で寝たらまた床に仰臥だ。ああ面倒くさい。

「おら、ベッド戻るぞ」父「待って!」

テレビのおせち通販の何かをメモる父。

電話もかけられない、ネットもできない父。このメモが活用されることはない。

わたしはこのまま年末年始を迎えるなんて想像もできない。

「‥おせちって、今この家が人を招ける状態だと思ってんの?」

車椅子を強制的にベッドへ。

「あとテーブル。夜中にベッドから降りたら転倒リスクがあるの。骨折でもしたら入院か施設だよ。だからテーブル寄せてんの。動かさないで」

父を移乗し寝かせて、ベッド脇にテーブルを寄せる。

 

どんな気持ちでおせちに反応したの?

久々に文字を書く父を見たよ。

認知症検査で「今の季節も言えない」のに、「もうすぐ正月だ!」ってのは分かったの?

兄や弟家族を呼ぶような、例年のお正月が来ると思った?

まぁ正月は数年前から危うかったもんね。それでも呼んでたもんね。

でも来年その頃は、あんた施設かもしれないよ?

 

わたし的にはディも休みヘルパーさんもいない年末年始なんて恐怖でしかない。

だから「正月までは少なくとも家で父を」なんて全く考えられない。

 

でも習慣だけで生きてる父が、例年通り家族で過ごす新しい年のためのお節を頼もうとするのに、なんか泣けた。

 

自分の気持ち含めた全てが面倒くさくて切ない。