今日からショートスティの母。父とは別フロア。
朝は傾眠。
「起きる?起きないの?朝ごはんできるよ?」
母「うーん、まだ起きない」
今日はゴミの日。どうせまたオムツゴミは出るけど、できれば母が今つけてるオムツまで捨てたい。
身体を起こし、オムツを替えるために体勢を変えたらジャー!と勢いよくベッドと床に尿が飛び散る。
もうこんなの日常茶飯すぎて動じなくなった。
「今日は午後からお泊まりだよ♩」
極力楽しいムードで母をその気にさせる。
母「あら、じゃあ寝てる場合じゃないわね」
いや迎えは午後なんで。今は9時だから大丈夫ですけど‥。
母「あれよね、パパがいるとこ」
お、覚えてた!しかし残念‥パパとは違うフロアなんだよ‥。それは言わない。
で、午後。
迎車の時間に合わせオムツを替え、着替えさせていると、
母「今日はうちにいるのよね?眠くなってきた」
出たよ‥拒否反応。泣きたくなる瞬間。
「ん〜でもホラ、出かけるって言ったでしょ?お友達が大勢いるとこに行くよ」
淡々と着替えさる。
- この家は〇〇(母)と△(わたし)の2人暮らし。
- でもそれじゃ寂しいから、時々お友達がいる楽しい場所へお泊まりに行く。(父と同フロアの時は「パパがいるとこに泊まりに行く」)
と日々刷り込み、功を奏してる部分もあるけど、やっぱり家が好きな母は時にゴネる。ゴネまくる。最近多い。
これを丸め込まずに送り出すと、帰宅願望が高まり、以前はスタッフさんを殴ったり、死ぬ死ぬと騒いだ前科がある。
どうすればショートを嫌がる時に丸めこめるかを試行錯誤し、
「楽しい場所だよ!お泊まり、良かったね!」
モードに切り替えたけど、わたしのテンションがつらい。
父と同じフロアなら「でもお父さんが会いたがってるよ。お土産待ってるよ」と丸め込むのが有効だけど、今回のようにそれが出来ない時は気を散らすしかない
「お、今日は可愛いカッコになったね!」「髪型決まってるー」
テンション上げつつ車椅子を玄関に。靴を履かせて迎車のタイミングに合わせ段差を降ろす。
毎日のディサービスもだけど、タイミングがズレるとゴネ始めるから、めちゃくちゃ神経使う。
迎車の横でスタッフさんに車椅子を委ね、わたしが後部座席に座り、母が車椅子で背面から上がって来るのを迎える。
その間、母と離れるのは10秒ほど。
前回は「行きたくない」とゴネた直後、迎車の後部座席で迎えたわたしを見て、
母「知らない人がいる!こんな場所にいられない!」
と言い放った。
知らない人‥10分前にオムツ替えて着替えさせ、10秒前に離れただけの娘に、知らない人‥。メンタルが抉れる。
今日は、
母「あら、またすぐ〇〇(わたし)に会えてよかったわー」
どっちもつらいな!!!!と今日思った。
もはや排泄処理より、こういう小さな罪悪感がメンタルを疲労させる。
ショート拒否の被介護者がいる家族には、ケアマネが、
「心を鬼にして送り出してください」
と言うこともあるらしい。
鬼まで行かずとも、せっかく慣れさせた施設だし、わたしは罪悪感を飲み下し使うけど‥
スタッフさんに引き継ぎし、薬と荷物を渡して母と別れた時の、母の不安そうな顔が頭から離れない。
そろそろ1年通ってる施設じゃん!わたしが死んでしまう。拒否しないで!
と頭では思うけど、気持ちはまた別問題だ。
※
高級老人ホーム受付スタッフ(介護士ではない)をやってる友人がいる。
友人「毎日毎日、受付て"家に帰りたいんだ!"ってゴネるおばあさんが数人いるよ。スタッフ(介護士)呼ぶしかできないんだけど」
という話の流れで、
「そのドアからは、死なない限り出れないよ!って言いそうになる」
と言ってた。もちろん入所金2000万払ってる利用者さんには言わないし、有料ホームは介護度が低い非認知症の利用者も多く、自力歩行で散歩行く人もいる。だから友人同士の軽口。
だけど認知症家族を背負ったわたしとしては、
死なない限り出られない。という言葉は重い。
実際は、入居した父も病院行ったり、兄と散歩したりで外に出てる。
母に至ってはショート利用しつつ、父との面会や差し入れにも来てるから、
「しょっちゅう出入りしてる施設」
なんだけど、本人の意思ではなく、全てわたしが選択しているから、当人的には「一度入れば、自由には出られない牢屋」に近いのかもしれない。
多くの介護家族が悩むんだろうけどね。悩むよね。
親戚や介護の先輩方は、
「罪悪感、感じちゃだめよ!」「あなた自身を大事に!」
と言ってくれる。
頭でも「共倒れは絶対に避けねば」とわかってるし、母もノリノリで行く時もある。けど、拒否されて悲しい顔をされるとホントにツラい。
この罪悪感から逃げるにはどうすればいいんだろうな。