血まみれマンデーは、2回目の2泊3日ショートスティの初日だった。
月曜日仕事を終え、14時の送迎に同乗し両親を施設へ。
スタッフ「お変わりないですか?」
「あ、今朝そういえば血まみれでした!わたし仕事だったのでよく見てないけど、頭は打ってないそうです」
スタッフ「え!お父さん、頭は打ってなくてよかったですねぇ」
父「…頭、打った」
嘘つけ!!!(頭にはコブも傷も出血もない)
スタッフ「万が一、入所中に具合が悪くなったらご家族に病院へ連れて行っていただくこともありますので…」
「わかってます。でもちょっとやそっとじゃ病院行かなくて大丈夫ですよ」
仕事するためショート入れてるのに、なんで初日朝に流血するんだよな…。結果、連絡来なかったけど、ホント腹が立つ。
本日水曜日は10時半にお迎えに。
仕事して、除菌して、糞尿ついてるであろう父の布団洗ったらもうショート終了。早くもっと長期でぶち込みたい。
滞在中の様子を訊くと、
- リスペリドンは飲ませなかった。
- 父母共に夜はよく眠れていなかった。排便もなかった。
- 今朝は特に、父は母を、母は父を探してた(別室なので)。へぇ。
スタッフさん「実は今朝からスタッフが数人嘔吐していて…。ウィルス性の胃腸炎の可能性がありまして…」
季節的にノロかな???
「ウチは大丈夫だと思いますが、今日症状が出なければ、明日のディサービスは行かせていいですよね?」
スタッフ「え、あ、大丈夫です」
父が寝た切りになろうが、母が骨折しようが、とにかくディサービスには行かせるわたし。
で、帰宅してみたら持参薬一式入れたポーチがない。
電話で確認したら、スタッフさんが入れ忘れたらしい。嘔吐で人出不足だもんね…。
「忘れ物、取りに行ってくるわ。お母さん行く?」
母「行く!」
母を誘ったのには訳がある。
今朝「母が父を探してた」ということは、2人とも「家族(夫婦)バラバラにされる不安」が何となくあるんだろう。多分。
実際、そうなんですけどね?
少なくとも、遠い場所に置き去りにするんじゃなく、ショートは自宅から徒歩5分(わたしの足で)の場所だよ!
と、言葉ではもう理解できない母に叩き込みたかった。
母と手を繋ぎ、15分かけて歩き、
「ほら○○、こっちは××(母も馴染みの場所)。歩いてすぐでしょ?ここが昨日泊まった場所」
無事にポーチを回収したものの、帰路は母の足が立たなくなった。
休ませながら連れ帰り昼食後。
施設は必ず「オムツパッド」を装着する。最近の母は2日に1回はパッドをトイレに流す。特に排便した後は打率が高い。
ショート中に排便がなかったということは、今すでにパッドに排便してる可能性大。
「そろそろパンツ替えるよ」
母「ええ~お母さん自分でトイレ行くの」
「トイレ行く前にパンツ替えるから」
母「パンツはいいわよぉ~トイレ行く」
トイレで排便したいのか??見極めが難しい。
「じゃあ先にトイレ行って。ただし、おしっことウンコと紙以外は絶対流さないでよ」
母「そんなことしないわよ~(理解してない風)」
言った直後、ウンコまみれのパッドをトイレに詰めたorz
こういう負担を減らすために介護施設にお金払って泊まってもらってるんだけどね!
そして夕方。
母「ほらぁ、昼間大阪から3人連れ帰って来たでしょ?ご馳走作らなきゃ」
ショートで募った「家族バラバラになる不安」が妄想化。
あんたは「連れ帰られた側」!行ったのは大阪じゃなく徒歩5分の場所!
母「違うの。そうじゃないの」
母の「違うの。そうじゃないの」が出たら、道理は通用しない。
これで終わるなら妄想に付き合うんだけど、1つの妄想に付き合うと収拾つかなくなる。
母「お母さんのお金がないの!今日、大阪には財布持って行ったんだけど!」
そもそも普段から財布持ち歩かないだろうが!(わたしが払うから)
「今日帰って来た場所は大阪ではありませんし、財布も持って行ってません。なぜならわたしがすべての荷物を準備し、持ち物を記入して持ち帰ってるから」
なんのために午前中、母と手を繋いで徒歩で施設まで行ったのか‥徒労感。
母「違うの。そうじゃないの。お父さんと大阪に行ったのよ」
とりあえず、母が財布を放置してる場所を教える。
母「中身ないのよ、これ!」
財布を開けられない母。開け方を教える。
母「ほら、お金ないの!!!!」
「あの、これお札ですけど…」
「お金がない!」と思うと、目の前に札が見えてても「お金」と認知できないんだよねぇ。
ここで治まると思いきや、30分後。
母「お母さん、今日大阪から3人連れて帰ったから、牛肉買いに買い物行ってくる」
…あんた、昼間歩けなくなってたんですよ?
「晩御飯はわたしが作るから。材料はあるし牛肉はいらない」
母「じゃあ、お刺身買って来るね。だって3人も連れて帰って来たんだもの」
「今日は大阪行ってないし、誰も連れ帰ってねーって言ってんだろ。誰かいるなら連れてこい」
いるわよ!と2階に探しに行く母。
もちろん誰もいない。が、誰もいないから諦めたりしないのが認知症。
丁度、訪看さんが父の浣腸に来ていた。
「あんた旦那と2人で大阪行ったの?ホラ、あんたの旦那見て。車椅子だよ?看護師さんに浣腸してもらわないとクソも出せないの。あんたが車椅子押して、アレを連れて新幹線乗って大阪行ったの?2人で?ってか大阪の家(親戚)は○○ちゃん(従妹)以外全員死んで、もう家もないから」
看護師さん「え~ホラーですか?」
そう。認知症(母)の妄想はホラーなんだよね。
本人は時間軸飛んでるから、ホラーとは思ってないんだけど。
「お父さんと2人で大阪に行ったことがあるかもね?でも、それは15年前?20年前?そのぐらい昔の話なんだよ。今のリアルを見ろ」
母「あら車椅子…。でもね、違うの。そうじゃないの」
「クッソ面倒くせぇな!黙ってさっさと玉ねぎの皮を剥け!リアルを見ろ!」
前回は不穏の母をいなして、わたしが夕食を作った。
そしたら「わたし(母)の友達が我が物顔でキッチンを占領し、わたしたちを追い出そうとしてる」妄想が生まれたので、今日は母も参加させる。
「玉ねぎ終わったら人参も切れよ。妄想じゃなくて目の前の人参を見るんだ!」
はぁもう面倒くさい…。
変わって父は今日は優秀だ。
全裸徘徊を防止するために、リビングはしばらく暖房を入れなかったら、今だに上下服を着ている(さすがに今は温度低めの暖房を入れてる)。
オムツ外しも今のところナシ。
この3日、リスペリドン飲まずに着衣脱がないなんてすばらしい!
夕食後の母、今度は臭い。ケツのあたりが臭い。
夕食後にリハパンを替えたら、かなり緩い大便が漏れていた。
午後、大量な大便包んだパッドをトイレに詰めてたのに。
あれ??まさかのノロウィルス??????
認知症が下痢になると地獄絵図が展開する。
ウィルス性だと、わたし自身もヤバい。
胃腸炎になったわたしが、胃腸炎の父と母のまき散らしを処理し、除菌し続けることが出来るか?出来ねーよ!
ウィルス性は新型コロナ含めて、ヘルパー関連も頼めない。
わたしが倒れたら、兄弟招集する以外の道はないなぁ。
いやしかし。
夕食にかぼちゃの煮付けだしたけど、アレ全部なくなってたな。父と母が食ったのか、母が1人で食い尽くしたのか??
ただの食い過ぎ説もある。
24時間見張ってないと健康管理もできない。見張ってても不穏スイッチ入れば止まらない。
人間を人間たらしめるのは脳だな、と実感する。